TF 4P.172/2006, arrêt du 22 mars 2007 (Cañas v. ATP Tour判決)(国際仲裁判断に対する取消事由について – スポーツ法)

(判例研究は,篠原翼「TF 4P.172/2006, arrêt du 22 mars 2007 X. c. ATP Tour – Cañas v. ATP Tour 判決 –」,⽇本スポーツ法学会年報第 26 号(2019 年),222-233 ⾴を参照せよ)

A. 

A. a  

X は,プロテニス選⼿である。ATP は,メンバーが男⼦プロテニス選⼿およびトーナメント運営者である⾮営利法⼈である。その本部は,デラウェア州(アメリカ合衆国)にある。X は,1995 年からそれに所属しており,ATP 選⼿評議会のメンバーである。

ATP は,それに加⼊するテニス選⼿に適⽤可能である規則を作成している(ATP 規則)。この規則は,特にドーピング対策を⽬的とする。その⽬的のために,その規則は,テニス選⼿がに対する様々な制裁措置を規定し,⼜は,テニス選⼿がその体内にある禁⽌物質の存在が選⼿による過失や重⼤な過失から⽣じたのではない場合に,制裁措置を軽減することができると規定する。当制裁措置は,CAS に提訴することができる ATP アンチドーピング法廷によって下される。後者によって下される判決について,ATP 規則の第 P.3 条は,以下のように規定する。

「CAS 判断は,すべての当事者に対して最終的で拘束的でなければならない。また,上訴権は,CAS 判断から⾒出されないだろう。CAS 判断は,即時的効⼒を有していなければならず,すべての当事者は,それが効⼒があることを保障するために⾏動しなければならない。」

それに対して,ATP アンチドーピング規則は,すべての⾯においてデラウウェア法が適⽤されると規定する。

A.b 

2005 年 2 ⽉ 21 ⽇,X がアカプルコ(メキシコ)での ATP トーナメントに参加したときに, X は,尿のサンプルを提供した。このサンプルの分析は,禁⽌物質表に記載されている利尿剤の存在を明らかにし,2つ⽬のサンプルの検査を確認した。

2005 年 8 ⽉ 7 ⽇の決定によって,ATP アンチドーピング法廷は,ドーピングの存在を認めることで,2005 年 6 ⽉ 11 ⽇から 2 年間当該選⼿を出場停⽌処分とした。さらに,ATF アンチドーピング法廷は,X がそれまでに参加していたトーナメント及びアカプルコでの試合も含め,獲得した賞⾦及び実績をすべて返還することを命じた。

B.

X は,この決定に対して上訴した。彼は,主に彼が何も過失を犯していなかったということを強調した。補⾜的に,要約すると,彼はスポーツ選⼿の能⼒を低下することをもたらす物質を含む薬品を偶発的に摂取したことを理由に彼を処罰するは,ヨーロッパ競争法・アメリカ競争法・デラウェア法に違反していたということを主張した。

2006 年 5 ⽉ 23 ⽇に,CAS は,仲裁判断を下した。部分に上訴を認めることで,CAS は,アカプルコのトーナメントでの X によるドーピング違反の存在を認めた。,したがって,その仲裁判断は,そのトーナメントにおける当選⼿によって獲得された試合結果を無効にし,それによって受領したすべての賞⾦を返還することを彼に命じたという点について,ATPアンチドーピング法廷での第 1 審決定を認めた。これに対して,CAS は,X に対して下された出場停⽌処分を 2 年から 15 ヶ⽉に軽減した。また,CAS は,その判断が,X がアカプルコ⼤会後に参加していた試合で当選⼿のために失われ得た勝利を選⼿に返還することを

ATP に命じた。

仲裁⼈は,禁⽌物質が X の体内にあった状況について,上訴⼈によって⽰された事実の説明を認めた。要するに,2005 年 2 ⽉ 20 ⽇に,X がインフルエンザ対策の薬を得るために⼤会の医師を訪れたことは明⽩である。何も在庫がなかったために,当該医師は,彼に処⽅箋を処⽅した。しかしながら,薬局で処⽅された薬を買うことを委託された⼤会職員による間違いの結果,当該選⼿は,その薬を受け取らなかったが,他の選⼿のコーチ宛の薬を受け取った。法的には,CAS は,上訴⼈が X の過失の⽋如を主張することができなかったと考えていた。⼤会の医師から薬を直接受け取らずに,複数⼈の仲介によって受け取ったことで,選⼿評議会の中でシード選⼿でもあり,活動的で経験豊富な X は,実際に,医師によって処⽅された薬の効⽤を保証するために,その薬を摂取する前にそれを確認しなければならなかっただろう。次に,仲裁⼈は,X の過失の程度について判断を下した。ドーピング⾏為に対する X ののすべての意図を排除することで,及び,薬の引渡しの際に介⼊した間違いが X に何も責任を負わせていなかったということを強調することにで,仲裁⼈は,事件の例外的な特徴を明らかにし,上訴⼈が重⼤な過失⼜は懈怠を犯していなかったということを証明していたと認めた。したがって,ATP 規則によれば,出場停⽌期間は,このような場合には 2 年間と規定される ATP 規則の出場停⽌期間の最⼤半分まで軽減することができる。軽減の範囲を決定するために,CAS は,全体の状況と同様に,薬の処⽅に関係するドーピング違反の前の判断で,X に有利⼜は不利な要素を考慮した。CAS は,最低限 12 ヶ⽉の軽減を上訴⼈によって認めることができないという結論を下した。したがって,出場停⽌期間を 9 ヶ⽉に軽減することが適当であると判断した。最後に,仲裁⼈は,X がアカプルコ⼤会から出場していたトーナメントに対するの X の失格処分について判断しないと判断した。

C. 

2006 年 6 ⽉ 22 ⽇,X は,CAS 仲裁判断を取り消す⽬的で,OJ 第 85 条 c 号の中にある公法の訴え(以下,控訴)を提起した。控訴⼈は,審理を受ける権利及び⼿続上の公序違反を主張した。

2006 年 8 ⽉ 23 ⽇の書簡によって,CAS は,当該控訴に対する決定を下すことを放棄したということを強調した。

2006 年 9 ⽉ 15 ⽇,ATP は,主に控訴に対する受理可能性が存在しないこと,及び,付随的に控訴の却下を下すことを内容とする返答を提出した。その返答とともに,ATP は,以下のような宣⾔を X によって署名された書類に基づいて作成し,2005 年 3 ⽉ 12 ⽇付の書類と同じように,2005 年版 ATP 規則の抜粋を作成した。

「ATP 公式ルールブックへの選⼿の同意と合意

Ⅰ. 以下のように副書した選⼿・同意・合意

  1. 選⼿は,ATP 規則に対するすべての修正及び ATP 規則に組み込まれたアンチドーピングプログラムのすべての規定を制限なく含む,2005 年 ATP 公式ルールブックのすべての規定を遵守し,それらによって拘束されることに同意・合意する。
  2. 選⼿は,アンチドーピング法廷によって下されたあらゆる決定から⽣じるあらゆる紛争或いはアンチドーピングプログラムのアンチドーピング法廷の⼿続過程や当該プログラムに明⽩に規定される他のすべての⼿続を消尽した後に,アンチドーピングプログラムの下で⼜はそれに関連して⽣じるあらゆる紛争は,CAS 規程に合致する最終的で拘束的な仲裁である CAS 上訴仲裁部に排他的に付託されなければならないことに同意・合意する。CAS 仲裁判断は,最終的で,再審理不可能で,控訴不可能で,執⾏可能でなければならない。CAS へのあらゆる付託についての時間制限は,アンチドーピング法廷の決定が選⼿に伝達されてから 21 ⽇後でなければならない。
  3. 選⼿は,前述の選⼿の同意及び合意を⾏い,理解する。」

特にこの書類に根拠を置くことによって,被控訴⼈は,その返答において,X が CAS 判断に対する控訴権を正当に放棄していたと主張した。

  • 年 9 ⽉ 18 ⽇の書簡によって,控訴⼈は,スイス連邦裁判所が2回⽬の訴状交換を命じることを当事者に求めた。被控訴⼈は,2006 年 9 ⽉ 19 ⽇の書簡内でそれに反対していた。

当該訴訟の予審を担当する裁判官は,2006 年 12 ⽉ 11 ⽇のオルドナンスによって,部分的にその請求を認め,当裁判官が上記の書類の有効性および影響⼒について判断するために控訴⼈に対する期限を定めた。

  • 年 1 ⽉ 15 ⽇,すなわち,公平期間において,控訴⼈は,スイス連邦裁判所が 2005 年 3 ⽉ 12 ⽇に控訴⼈よって署名された控訴権の放棄に対するすべての効⼒を否定するようにするために,書⾯による決定を提出した。

2007 年 1 ⽉ 19 ⽇のオルドナンスによって,被控訴⼈は,写本を作成する可能性に同意した。被控訴⼈は,X によって同意された控訴放棄の有効性を認めるために,X の意⾒の中で正当化されている判断理由を説明する 2007 年 2 ⽉ 15 ⽇の訴訟書類を⽤いた。

スイス連邦裁判所は,法律上,以下のように考える。

1. 

2005 年 6 ⽉ 17 ⽇スイス連邦裁判所に関する法律は,2007 年 1 ⽉ 1 ⽇に発効した。控訴された判断がこの⽇付の前に下されたことで,その訴訟⼿続は,法⼈に関する連邦法によって起草されたままである。

2. 

OJ 第 37 条第 3 項によれば,スイス連邦裁判所は,公式⾔語,つまり⼀般的に論ぜられた決定の⾔語でこの判決を作成する。論ぜられた決定は,他の⾔語(英語で)作成されたときに,スイス連邦裁判所は,当事者によって選択された公式⾔語を使⽤する。被控訴⼈は控訴⼈に対して送達した控訴趣意書においてフランス語を⽤いた。したがって,本判決は,フランス語で下されるだろう。

3. 

3.1 

国際仲裁の枠組みの中で,最終決定に対する法律によって定められた形式を適切な時に⾏使することで,控訴趣意書が LDIP 第 190 条 2 項で規定されるものだけが援⽤される OJ 第

85 条 c 項における公法に関する訴えは,様々な請求について受理可能である。

3.2 

判例法によって解釈されるように OJ 第 88 条は,控訴について,実務上及び事実上の利益を求める。スイス連邦裁判所は,適切な時に決定を下すことができないことを除いて,控訴⼈は,同様の条件で繰り返される可能性のある原則に関する問題を指摘する場合に,この請求を例外として棄却する。

このような場合に,控訴⼈に対して下された 15 ヶ⽉の出場停⽌処分は,確かに 2006 年 9 ⽉ 11 ⽇に既に執⾏されていた。それでもやはり当該決定は,テニス選⼿の財産の状況に決定的な侵害をもたらしている。なぜならば,その決定は,X がアカプルコ⼤会で受領した賞⾦を返還することを X に義務付けているからである。その点において,本件は,ATF 127 Ⅲ 429 で公表される判決によって引き起こされた事案から区別される。したがって,上記の判例によって例外的な場合の存在について考えること必要なしに,控訴⼈が,CAS ⼿続が審理を受ける権利の違反となるということ,⼜は,その仲裁判断が⼿続上の公序と両⽴できていないということをスイス連邦裁判所に主張することは否定できない。

したがって,X は,控訴資格が与えられた。また,X がその控訴権を⾏使することを正当に放棄していなかったか否かを検討する必要がある。

4. 

4.1 

各控訴趣意書の中で,両当事者は,控訴放棄の有効性に関する問題について⻑期間を費やした。論拠のうちのどれもこの点に関して進展していないという論拠を要約することから始めることが適当である。

4.1.1. 

形式的な観点の下で,控訴⼈は,2004 年 12 ⽉ 1 ⽇の 4P_62/2004 判決に根拠を置けば,スイス連邦裁判所が放棄の意思表⽰が明確になされた証書によって証明されること求めることで,その放棄が仲裁機関の規則に記載されている場合には,控訴の棄却には法的効果がないと強調する。控訴⼈は,被控訴⼈がおそらく放棄を⾃覚していなければならなかったということを追加した。なぜならば,その放棄は,それらの規則⾃体の臨時条項を修正する特定の書類を控訴⼈に指摘させなければならないと考えていたからである。

重要な観点であると考えられる係争中の放棄は,少なくとも 3 つの理由について効果がないだろう。控訴⼈によれば,第1に,ヨーロッパ⼈権条約によって下される判例中で,それが強制されて署名されていただろうから,第2に,ドーピング分野における CAS 仲裁判断に対する控訴の選⼿による「偽の放棄」が,その形式がどのようなものであっても,ある違反を LDIP 第 192 条の⽴法理由に該当するだろうから,第 3 に,最後に,ドーピング対策の分野において,平等原則を遵守する LDIP 第 192 条を適⽤する唯⼀の⽅法は,控訴に対する事前の放棄のすべての効⼒を否定することであるだろうからである。

4.2.2 

被控訴⼈は,まず初めに,2006 年 12 ⽉ 11 ⽇のオルドナンスに規定されている書類と関係のある⼿段について説明することに限定されていないが,被控訴⼈が訴えを提起するまで発展させなければならない論拠を補完するための機会を掴むだろうという理由で,その反駁において,控訴⼈によって指摘された⼤部分の⽅法の受理可能性を疑っている。その背景として,被控訴⼈は,控訴⼈に対して,ATP に対する⽴場及びその決定について全体的な「忠誠」の⽴場を⾒出すことを証明することで,ATP 内での決定過程に関する故意かつ⽋缺のある要約を作成したことを⾮難する。控訴⼈の意⾒では,控訴⼈は,関連するヨーロッパの判例を歪曲し,さらに,控訴⼈が選⼿評議会のメンバーであるという事実,つまり,告発書類に署名することを控訴⼈強制することができたことを排除する適した状況について⼝を閉ざすだろう。被控訴⼈によれば,常に,法律に対する詐欺⾏為に基づいた控訴趣意書は,

⽴法者が検討し得なかったという⽴法理由を前提とする。最後に,平等待遇原則は,控訴⼈によって奨励される LDIP 第 192 条の解釈が,必然的に採択されなければならなかったということは少しも意味しないだろう。

4.2 

2006 年 12 ⽉ 11 ⽇のオルドナンスによって,控訴⼈は,本判決の第 c 号に基づく答弁および改正に付属される書類の「有効性および効⼒」について判断を下すために,OJ 第 93 条第 3 項の適⽤によって,⼀定の期間が与えられていた。この証拠⽂書に関するそれらの論拠を強調する控訴⼈の権利は,⼿続段階への議論をもはや準備していない。被控訴⼈が控訴⼈を否定したいだろうという点について,引⽤された規定に関連する判例を援⽤するために,その規定は遵守されないだろう。

残りについては,それが上記のオルドナンスによって定義されていたような反駁の対象は,この放棄の効⼒に関するすべての論拠と同様に何も制限されておらず,被控訴⼈によって提出された書類の中で明⽰された控訴放棄の形式的⼜は実質的な有効性に関係しているすべての異議申⽴てを含んでいた。したがって,被控訴⼈が何を⾔おうと,控訴⼈の反駁は,控訴⼈に割り当てられていた枠組みから離れていない。

4.3 

LDIP 第 192 条 1 項の条件で,もし両当事者がスイスにおける住所・居住・建物を有していなかったならば,仲裁協定における明⽰の宣⾔⼜は事前の合意によって,仲裁法廷の判断に対するすべての控訴を排除することができる。また,両当事者は,LDIP 第 190 条 2 項に列挙される理由のみでしか控訴を排除することができない。判例によれば,控訴放棄は,すべての判決について及びすべての控訴理由について認められる。

LDIP 第 192 条 1 項における控訴放棄の有効性は,継続的に検討することが適当である形式的な側⾯及び重要な側⾯を帯びている。

4.3.1 

最近の判決で,スイス連邦裁判所は,仲裁法廷の判断に対するすべての控訴放棄をする当事者の明⽰の宣⾔の存在を認めることができる条件を指摘していた。要するに,その慣⾏は,その排除合意を制限する⽅法のみを認めるということ,及び,その慣⾏が間接的な放棄を達成していないと判断することから⽣じている。それによって,仲裁協定⼜は以前の書⾯合意から直接⽣じないが,当事者が付託する明⽩で前に存在している書類の中に記載される放棄と理解される。したがって,放棄の宣⾔の明⽰的な特徴についての請求は,放棄と同じように規定している仲裁規則への遵守を排除する。事前にその判例を明確にすることへの配慮から,スイス連邦裁判所は,しかしながら,有効であるために,控訴放棄が LDIP 第 190 条及び/⼜は LDIP 第 192 条の明⽰された⾔及を包含してはならないということを明確にした。スイス連邦裁判所は,当事者の明⽰の宣⾔が争いなく,すべての控訴権を放棄するために,それらの共通意思を宣⾔するということを必要であるが,⼗分でないとみなしている。そのようなものが良い事案であるか否かを知ることは解釈の問題であり,その事案がこの観点において考えられるすべての状況に適⽤可能な規則を提起することを排除される限り,それは常にそのままであるだろう。原則的に,その判決の批判がある場合に,ドイツ語の論者は,⼀⾒してそこに控訴放棄の許容性への補⾜を⾒つけ出すと考えることによって,

「異議なく」という⽤語に着⽬した。もしそのようなものがその考えの基礎であったならば,それ誤りであるだろう。その⽤語は,放棄の宣⾔に関する客観的な解釈の結果が議論を引き起こしてはならないということを指摘する唯⼀の傾向があった。それでもやはり,意思の宣⾔を解釈する必要性は,その意味において,定義上,当事者がこの宣⾔を与えることに同意しない。⾔い換えれば,そこには,その点についての異議があったということには変わりない。

上記の判決によって確⽴される判例は,そのときから認められており,何⼈かの論者が控訴

⼈に向けていた批判があるにもかかわらず,新しい検討に服する理由があった。

4.3.2  

4.3.2.1 

LDIP 第 192 条について,仲裁判断に対する控訴放棄をする可能性を⼊れることで,⽴法者は,2つの⽬的を追求していた。すなわち,⼀⽅では,仲裁判断が控訴の許可及び執⾏命令裁判官の⼆重検査に服されることを避けることで,国際仲裁分野におけるスイスの仲裁地の魅⼒を強化すること,他⽅で,スイス連邦裁判所の審理を免除することである。これらの2つの⽬的の根底にある考えは,国際仲裁判断は,外国仲裁判断の承認および執⾏に関する 1958 年 6 ⽉ 10 ⽇のニューヨーク条約の適⽤によって,いずれにしろ,強制的な執⾏段階のために司法検査に服されることであった。また,LDIP 第 192 条 2 項は,その仲裁判断がスイスで執⾏される場合に同様となる。したがって,LDIP 第 192 条の⽴法理由は,⽴法者の精神において,この規定が,なによりもまず国際商事仲裁に適⽤される,より詳細には,執⾏命令裁判官に服する前に,その判断に適⽤される役割があったということを明確に規定していた。したがって,⽴法者は,スポーツ分野における国際仲裁のことを考えていた,また,さらになお,⽴法者がこの規定を採⽤した際に,アスリートの出場停⽌処分に関連する紛争について考えていたということは少し可能性がある。実際に,国際オリンピック委員会(IOC)や⼤部分の国際競技連盟がスイスにその本部を設置するように,LDIP 第 192 条に従って控訴する外国⼈の条件が,そのような法⼈に関わる訴訟において下される仲裁判断に対する控訴放棄を直ちに防⽌していた。その反⾯,出場資格剥奪処分や出場停⽌処分のようなスポーツ選⼿に課せられる制裁措置は,それらを実施するために執⾏命令⼿続が必要ではない。したがって,歴史的観点で考えられる LDIP 第 192 条は,スポーツ分野において,規定に定められる処罰の範囲で下される仲裁判断に対する控訴に適⽤されるとは思われない。

4.3.2.2.

それが LDIP 第 192 条の同様の条⽂から⽣じる場合に,控訴放棄は,控訴が仲裁協定⼜はそれ以前の書⾯に記載されている当事者の合意に基づいている。この合意は,すべての契約と同様に,両当事者がお互いに⼀致する⽅法で控訴を放棄するために両当事者の意思を表明した場合にのみ条項を対象とする。意思⾃治に関する構成的な要素としての契約の⾃由は,何らかの障害によって拘束された意思から発⽣しないということを必要とする。何が強制的な⽅法によって取り消されない控訴放棄する意思の表明なのかは,たとえその放棄が公序のような法治国家に固有の⼀般原則,⼜は,仲裁法廷の適法な構成,その管轄権,当事者間の平等,もしくは,⽭盾した訴訟⼿続における審理を受ける権利のような本質的な⼿続の保障に違反している場合にも,そのような放棄が当事者から将来のすべての仲裁判断に抗弁する可能性を奪っていると同様に⾼圧的である。

競技スポーツは,国内レベルと同様に国際レベルでも,⾮常に階層化された構造によって特徴付けられる。様々なスポーツの規律に従事する垂直関係に基づいて設けられるアスリートと団体の関係は,当事者を契約上の関係で結びつける⽔平的関係のそれと区別される。2つの種類の関係性の構造的な違いは,すべての合意の形成をもたらしている意思のプロセスに影響がある。原則として,両当事者が平等の重要性について取り扱う際に,それらのうちのそれぞれが他者の善意に義務付けられることなくその意思を表明する。⼀般的に国際的な商事関係における枠組みにおいても事情は同じである。その状況は,スポーツ分野における枠組みにおいて⾮常に異なっている。もし讃えられたアスリートが,その名声のために,そのアスリートが実践するスポーツを統制する国際連盟に課されるそれらの条件についてであろう − ⼗分に論理的な − 場合を除いて,その経験は,⼤部分の時間,スポーツ選⼿がその連盟に関するクデのフラン(les coudées franches)を有しないだろう。また,そのアスリートは,その連盟の要求に仕⽅なく従わなければならないだろうということを教える。例えば,アスリートは,規則が仲裁判断に対する控訴を規定するスポーツ連盟の統制の下で運営される競技会に参加することを望んでいる。それは,特に,もしプロスポーツ選⼿が問題となっているならば,前述の条項が挿⼊されていた当該競技連盟の定款に同意することで,仲裁条項を受諾していることよりも他の選択肢を有しているだろう。それは,以下のようなジレンマに直⾯するだろう。すなわち,真の競争に挑むことを望んでいる,⼜は,それをしなければならないアスリートは,仲裁条項に同意し,アマチュアのスポーツを実践することである。「テレビで」競技会を⾒ることで,仲裁管轄に服するため,及び,「その庭の中で」のそのスポーツを実践するためとは異なる。なぜならば,それがまさにその唯⼀の収⼊源(現⾦⼜は現物価格,広告収⼊など)が,実際に,当該条件を望むと望まざるとに関わらず選択することを強制されることである。

理由の同⼀性によって,将来の仲裁判断に対して控訴する権利の放棄は,その放棄がアスリートから⾏われる際に,⼀般的に表明された⾃由意思の事実ではないということは明らかである。したがって,宣⾔された意思と利害関係のあるスポーツ団体によって表明された意思の間の不⼀致から⽣じる合意は,当事者のうち⼀⼈によって与えられる義務的な合意のために最初から影響を及ぼされていた。ところが,すべての将来の仲裁判断に従うことを事前に受け⼊れるために,スポーツ選⼿は,以上で⾒てきたように,その場合について仲裁判断を下すことを CAS 上訴仲裁部に委託することができるという基本原則および本質的な⼿続的保障違反を後⽇に処罰される権利を直ちに剥奪する。そのうえ,執⾏者の⼿続の実施は必要ではない,例えば出場停⽌処分のように,それに反して下された規律的⼿段について,強制執⾏の条項に関する当事者の控訴趣意書を裁判官に提出する可能性がないだろう。しかしながら,その重要性を考慮する控訴権の放棄は,原則として,その放棄が LDIP 第 192 条第 1 項で定められた形式的な要件を充⾜していた場合と同様に,アスリートが申し⽴てることができてはならない。この結論は,ヨーロッパ⼈権条約第 6 条第1項の確認を要するように思われる競技に参加することを認められるために,控訴放棄を受諾すること以外に他の選択肢を有していないアスリートに対する拒絶と同じ強制⼒を伴って重要である。

4.3.2.3. 

国際仲裁分野における仲裁協定の形式に関連する判例を特徴付ける⾃由主義はまた,この判例がスポーツ分野を含めて,準拠によって仲裁条項の問題を取り扱う柔軟性を明らかにする。それに対して,それを上述で強調したように,控訴放棄を認める必要がある際に,その判例は厳格性を⽰す。なぜならば,その判例は,そのような放棄が間接的な⽅法が⾏われ得る,及び,その判例が原則としてアスリートがそれに反対することができるということを認めないということを排除するからである。

理論上,形式および同意の関係の下で,仲裁合意の異なる⽅法及び同意による控訴放棄を扱う⼀定の不合理が存在していることは,おそらく本当である。しかしながら,その外観にもかかわらず,この異なる待遇は,⼀⽅で,独⽴性および公平性の⼗分な保障を提供する専⾨化された仲裁法廷によって,特にスポーツ分野における訴訟の迅速な解消を促進すること,他⽅で,当事者が,特にプロスポーツ選⼿が仲裁裁判所の本部の国家に優先的な裁判権限に最終的な仲裁判断に控訴するためのその権利を軽率に放棄しないということに注意することがすべてであるという論理を遵守している。他の⽅法を⽰すこの論理は,控訴可能性の維持は,スポーツ分野における仲裁判断に対する控訴に関する契約的性質を検討することが適切であるという「善意」への均衡とみなすことを望んでいる。

4.4. 

4.4.1.

CAS によって作成された CAS 規程に掲載されている⼿続規則第 59 条 4 項は,上訴仲裁⼿続に特有の規定として,CAS によって下される仲裁判断が,当事者がスイスの住所・居住・建物を有していない,及び,明⽩に仲裁合意⼜は後で締結される書⾯による合意,特に訴訟⼿続の開始時に,明らかに控訴権を放棄する⽅法で,控訴には何も可能性がないと規定する。しかしながら,Rigozzi が正当に強調するように,この規定は,「LDIP 第 191 条 2 項の条⽂を⾔い換えて説明することのみをさせる」として,この可能性を排除する別々に締結される書⾯による合意の⽋如で CAS 仲裁判断への控訴の提起に反してはいない。

このような場合に,外国⼈の条件は,問題にならない。控訴⼈は,2005 年版にドーピング分野における ATP 規則によって結び付けられていた以上のことを主張しない。さらに,それらの付属⽂書 2 を構成することによって,臨時的な宣⾔に署名することで,明らかにそれに従属させる。この宣⾔は,番号 2 の下で,それが存在する何らかの⽅法によって CAS 仲裁判断に訴えることでテニス選⼿の明⽰された放棄を伴っている。それでもやはり,その状況は,このような場合に曖昧ではなかった。なぜならば,当事者は,国際仲裁において,CAS によって下された仲裁判断に対して控訴しか⾃由に使⽤できなかったからである。そのうえ,直接的な放棄は問題されない。なぜならば,臨時的な意思の表明は,すでに放棄者によって証明された同様の条⽂から⽣じる。この控訴権の放棄は,したがって,LDIP 第 192 条やそれに関連する判例によって認められた形式的な要件を満たしていた。

したがって,スポーツ選⼿の臨時表明がなければ,ATP 規則の上記の第 P.3 条に記載している放棄条項について引き出され得るのか否かを検討する必要は何もない。

4.4.2

上述の理由について,控訴放棄は,原則として,その形式的な有効性にもかかわらず,アスリートに反論することができない。写本に記載される⻑い説明は,本事案におけるこの原則を例外とするためにその必要性を何も証明していない。

被控訴⼈は,テニス選⼿が,控訴⼈がメンバーである選⼿評議会を介して本件過程に結びつくことを証明するために,それらの規則の周到な作成や修正の⽅法を詳細に説明する。しかしながら,ATP のメンバーであるテニス選⼿がどのような⽅法で – 及びもしそうならば,この法⼈の意思の形成 – 参加するか否かを知ることを問題としていない。この⽂脈において,当該選⼿が,それが CAS 仲裁判断に訴えることを放棄するという臨時の表明に署名することを拒絶することができるか否かという点が重要である。これらすべては,被控訴⼈によって主催された競技会に登録する可能性を有している。ところが,その告⽩については,ドーピング分野における ATF 規則 B.1 条に従って通過を認めることではない。すなわち,「さらに,すべての選⼿が毎年 ATP によって主催される⼤会⼜はその公認⼤会にエントリーする或いは参加する条件として,付属⽂書 2 に定められる形式に署名された同意を ATP に提出しなければならない。」

同様の理由のために,その試みがその作成についての最近の特徴によって,同じく独占的ではなく,同数代表からなるその構造によって,伝統的な国際競技連盟を区別することを証明するための被控訴⼈の試みは,すべて無益である。おそらく,状況への考慮なしに,何も ATP ツアーと並⾏するツアーを創設することをテニス選⼿およびその運営者に免除させないということを本当である。それでもやはり,実際に ATP はすべてのより良い男⼦プロテニス選⼿を集めていることには変わりない。したがって,それが主催する利益⽬的の競技会に参加することを放棄することを除いて,ATF のスポーツ選⼿のメンバーは,控訴放棄の宣⾔に署名することしか他の選択肢がないだろう。これは,疑いなく控訴⼈の事案であった。

したがって,強制⼒は,本考察の終わりに,控訴⼈が将来 CAS 仲裁判断に控訴することを正式に放棄しなかったということを認める性質を有している。しかしながら,本案審理に⼊ることができる。

5. 

5.1 

5.1.1. 

LDIP 第 190 条 2 項を援⽤することによって,控訴⼈は,CAS が当該条⽂に従って判決を下すために幾つかの妥当で本質的な根拠を検討していなかっただろうという事実を審理を受ける権利の違反を主張する。

仲裁⼈が当該論拠を承知のうえで無視していたということを前提として,仲裁⼈は,控訴⼈の意⾒から,補⾜として,スポーツ仲裁の分野における審理を受ける権利が正当化された決定を含んでいることを強調することでそれを説明しただろう。

さらに補⾜すると,スイス連邦裁判所がスポーツ仲裁の分野における審理を受ける権利の効⼒を拡⼤することを拒否した場合に,控訴⼈は,控訴された仲裁判断が LDIP 第 190 条 2 項における⼿続上の公序に両⽴不可能であるということを主張する。なぜならば,それは,妥当な点について正当化されていないからである。

5.1.2.

その控訴に対する抗弁について,被控訴⼈は,CAS が控訴⼈によって無視された世間でいうところの論拠を受領したが,これらの論拠は,彼が遵守する理論に関して妥当でなかったということを証明することに尽⼒する。その返答について,控訴⼈は,実際に,仲裁判断の取消しを正当化することができず,可能性のある不注意に受理不可能な根拠に対する批判を偽装することを試みた。

それでもやはり,被控訴⼈は,スポーツ仲裁の特異性は,控訴⼈が控訴趣意書を隠蔽する点について,審理を受ける権利の概念を拡⼤することを可能にするということを疑いなく判断する。

5.2

LDIP 第 182 条 3 項および第 190 条 2 項によって確⽴された判例,つまり,⽭盾する訴訟⼿続における審理を受ける権利は,国際仲裁判断が正当化されることを要求していない。

しかしながら,判例はまた,妥当な問題を検討し,取り扱うための公認のために,最低限の義務を審理を受ける権利から免除された。この義務は,国際仲裁の分野で,判例によって審理されており,しかしながら,スポーツ分野における国際仲裁で審理されている。仲裁法廷が,不注意⼜は誤解によって,当事者のうちの⼀⼈によって⽰される証拠の主張,論拠,証拠,提案や決定を下すための重要性を考慮に⼊れないときに,違反となる。実際に,関係のある当事者は,仲裁⼈に対して,控訴⼈の⾒解を強調するための権利に侵害する。その当事者は,もし控訴⼈がそれらの論拠を⽰すことができなかった状況と同様の状況に置かれている。控訴⼈は,仲裁⼈の不注意が重要な点ついて審理を受けることを妨害したならば,仲裁判断に対する控訴について証明できなかった部分を課せられる。⼀⽅で,スイス連邦裁判所が,その仲裁判断が適法で結論の裏付けとしての事実・証拠・法律のいくつかの要素を検討していなかったということ,他⽅で,これらの要素が本質的に訴訟の展開に影響を及ぼすものであったということは,証明するための判断である。同様の証明は,訴えられた仲裁判断において表明された理由であろう。悪魔の証明を除いて,この証明は,さらに,妥当な要素が仲裁⼈によって省略されていた理由に基づいてもたらされ得ないだろうということはいうまでもない。もしその判断が全体的に訴訟の解決のために⼀⾒して重要な要素に⼝を閉ざすならば,控訴に基づくその遵守において,この省略を正当化するためには,仲裁⼈⼜は通達された部分に属する。被控訴⼈は,控訴⼈の肯定に対して,省略された要素が具体的な状況を解決するために妥当ではなかったということ,⼜は,もし被控訴⼈が仲裁裁判所によって暗黙に反駁されていたということを証明することによって,それをすることができるだろう。この⽂脈において,そこには,その認可が妥当な問題を検討するその最低限の義務を充⾜していなかった場合にのみ – より拡⼤的に – スイス憲法によってその保障が与えられる審理を受ける権利の違反があったということを想起させる場⾯である。また,仲裁⼈は,被控訴⼈が,⽭盾する⼿続上の審理を受ける権利の違反として,すべての妥当性が⽋落した客観的な⼿段に対して暗に反駁しなかったことを批判することができない限り,当事者によって援⽤されるすべての論拠を議論する義務を有していない。

5.3

本件において,控訴⼈は,争われている薬の引渡しの際に何も過失を犯していなかったということをその主要な⼿段を排除するために,CAS に⼀定数の補⾜的論拠を強く主張した。控訴⼈よれば,その間違いによって引き渡された控訴⼈及び選⼿を害する薬を摂取していた控訴⼈に何らかの制裁措置を課す⾏為は,出場停⽌処分⼜は刑罰の法理と同様に,⽐例原則に鑑みるに,何がデラウェア法に反していたのかを証明するために,その控訴趣意書の 20 ⾴を認めた。また,それは,アメリカ競争法およびヨーロッパ競争法と両⽴可能ではなかった。被控訴⼈が正当に判断されていたとことを前提として,これらの補⾜的な論拠は,訴訟の争点を修正するに適していた。なぜならば,被控訴⼈は,控訴⼈に対する幾つかの制裁措置を課すことからその可能性を排除する傾向があった。したがって,被控訴⼈が何を⾔おうと,すべての妥当性を直ちに被控訴⼈に対して否定することはできなかった。

ところが,もし CAS が確かに控訴⼈の要約において,デラウェア法に暗に⾔及するならば,その強制⼒は,CAS が次に事案全体の司法分析を⾏う場合に,これらの補⾜的な論拠に⼝を閉ざしている。CAS が公法に関する訴えについて決定を下すことを放棄した場合には,この無⾔の理由は無視される。被控訴⼈によれば,事件の状況の全体を考慮に⼊れて,⽐例原則に合致した 15 ヶ⽉の出場停⽌を判断することで,仲裁⼈は,暗に控訴⼈の補⾜的論拠を排除していただろう。しかしながら,制裁措置が仲裁判断の本⽂を参照した上で何も課されないという結論を問題としている。実際に,仲裁⼈がそれを考慮に⼊れたならば,その制裁措置が控訴⼈の過失に⽐例していることは,問題である。その過失と⽐例している制裁措置は,控訴⼈がそれを主張するように,適⽤可能な国家,さらに国家間の規則を考慮して,テニス選⼿に課され得ないということは,別のことである。また,仲裁⼈は,なぜ控訴⼈によって援⽤された規則がそのような場合に適⽤可能でなかった,⼜は,ATP アンチドーピング法廷によって尊重されていなかったのではないと考えていたのかを指摘しただろう。仲裁⼈がそれを⾏わないのであれば,控訴⼈とともに,この省略がそれらの部分の不注意から⽣じたことのみを排除することができる。その省略が任意の特徴を帯びる問題の資料は,そもそも基本的に修正されていなかっただろう。つまり,この仮定において,たとえもしそれらを排除するためであったとしても,それらの妥当な客観的論拠を調べていたということを,仲裁判断を読むことによって確信するために,それを要約にすることで,問題を指摘することは仲裁⼈の役⽬であった。

控訴⼈は,控訴⼈の審理を受ける権利が CAS によって尊重されていなかったということを主張する。この法律の形式的性質を考慮して,控訴された仲裁判断は,控訴⼈によって発展された補⾜的論拠に留保される展開を考慮せずに,取り消されなければならない。

6. 

敗訴する被控訴⼈は,成功報酬を⽀払わなければならず,控訴⼈に訴訟費⽤を⽀払わなければならないだろう。それら定めるために,スイス連邦裁判所は,アカプルコ⼤会の際に受領した 17250 ドルを返還するために,控訴⼈の唯⼀の仲裁判断に要約できない問題の重要性を考慮にいれるだろう。同様に,控訴や反駁の証書の作成のために控訴⼈の代理⼈によって実施される労働の規模も考慮にいれるだろう。反対に,スイス連邦裁判所は,国際商事仲裁での問題を有していないが,プロスポーツ選⼿に課される規律上の制裁措置に関連する相違の問題を有していると強調するだろう。

これらの理由のために,連邦裁判所は,以下のように判決する。

  1. 訴えは認められ,訴えられた判断は取り消される。
  2. 5000 フランの成功報酬は,被控訴⼈に負わされる。
  3. 被控訴⼈は,訴訟費⽤として 10000 フランの賠償⾦を控訴⼈に⽀払う。
  4. 本判決は,当事者の代理⼈及び CAS に対して写本で伝達される。

ローザンヌ,2007 年 3 ⽉ 22 ⽇スイス連邦裁判所第1⺠事部の名において

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